うつ病の病歴・就労状況等申立書の書き方【社労士が解説】
この記事が向いている方
- ✅ うつ病で障害年金を申請するため、病歴・就労状況等申立書を書き始めた方
- ✅ 発症から長期間経過しており、過去の記憶が曖昧でどう書けばいいか悩んでいる方
- ✅ 自分の辛さや日常生活の不便さを、どう文章にすれば審査官に伝わるか分からない方
- ✅ 診断書の内容と申立書の内容にズレがないか不安に感じている方
- ✅ うつ病の症状が重く、書類作成の負担を減らすために専門家のサポートを受けたい方
【結論】うつ病の申立書は「もう一つの診断書」
障害年金の審査において、医師が作成する「診断書」が最も重要であることは間違いありません。しかし、それと同等に重要なのが、申請者自身(または家族・代理人)が作成する「病歴・就労状況等申立書(以下、申立書)」です。
診断書はあくまで「医師の視点」から見た医学的な評価です。診察室での短い時間だけでは、ご自宅での本当の辛さや、職場での苦労をすべて伝えきれていないケースが多々あります。その「医師には伝わりきっていない日常生活・就労の困難さ」を補足し、審査官に直接訴えかけることができる唯一の書類が申立書なのです。
病歴・就労状況等申立書の重要な役割と書き方の基本
申立書を白紙のまま提出したり、数行で終わらせてしまったりすると、ご自身の本来の症状の重さが伝わらず、不支給や軽い等級にされてしまうリスクがあります。以下の基本ルールを押さえて作成しましょう。
1. 発症から現在までを「3〜5年ごと」に区切って書く
うつ病の症状が出始めた時から現在に至るまでの期間を、時系列に沿って記載します。長期間にわたる場合は、3〜5年ごとに区切るか、「転院したタイミング」「休職・退職したタイミング」など、状況に変化があった期間ごとに分けて書くと整理しやすくなります。
2. 診断書の内容と「矛盾しない」ように書く
審査官は、医師の診断書とご本人の申立書を見比べて審査します。例えば、診断書には「食事の用意ができない」と書かれているのに、申立書で「毎日自分で自炊している」と書いてしまうと、審査官はどちらが真実か分からず、結果的に厳しい判定を下す可能性があります。必ず診断書のコピーを手元に置き、内容にズレがないか確認しながら作成してください。
うつ病特有の「就労状況・日常生活」の伝え方
うつ病の場合、気分の波や意欲の低下が「実際の行動」にどう影響しているかを、抽象的な表現ではなく「具体的なエピソード」として記載することが受給への鍵となります。
| 項目 | 悪い書き方(抽象的で伝わらない) | 良い書き方(具体的で伝わる) |
|---|---|---|
| 日常生活 (食事・入浴) |
体調が悪く、家事ができません。お風呂も面倒です。 | 食欲がなく1日1食ゼリーを飲むだけの日が多いです。入浴は週1回が限界で、家族に促されてやっとシャワーを浴びる状態です。 |
| 就労状況 (働いている場合) |
なんとか仕事をしていますが、とても辛いです。 | 集中力が続かずミスを連発し、上司から残業を免除されています。週3回の時短勤務ですが、欠勤してしまうことも多いです。 |
| 就労状況 (休職・退職時) |
仕事をやめました。働けません。 | 朝起き上がることができず無断欠勤が続き、そのまま退職となりました。現在は働く意欲が全く湧かず、自宅療養に専念しています。 |
「辛い」「苦しい」という感情だけでなく、「その結果、生活の中で何ができなくなっているか(制限されているか)」を客観的に書くことを意識しましょう。
山口社会保険労務士事務所のサポート体制と実績
当事務所では、うつ病で苦しむご本人様に代わり、説得力のある「病歴・就労状況等申立書」の作成を全面的にサポートしております。
山口社会保険労務士事務所の強み
うつ病の症状が重い時、過去の辛い記憶を振り返り、長文の書類を作成するのは大変な精神的苦痛を伴います。当事務所では以下の強みを生かし、皆様の負担を最小限に抑えます。
- 丁寧なヒアリングでの事実整理:過去の記憶が曖昧でも、専門のスタッフがゆっくりとお話を伺いながら、時系列と重要なエピソードを整理していきます。
- 診断書との整合性チェック:医師から取得した診断書の内容をプロの目で読み解き、矛盾が生じないよう、かつ実態が最も伝わる表現で申立書を作成代行します。
- 審査官の視点に立った書類作成:ただ長々と書くのではなく、年金機構の審査基準に照らし合わせ、評価に直結するポイントを的確にまとめ上げます。
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よくある質問
申立書の作成において、よくいただくご質問をまとめました。
Q1. 用紙の枠内に文字が書ききれない場合はどうすればいいですか?
A. 無理に小さな文字で詰め込む必要はありません。枠内に「別紙参照」と記載し、A4サイズの白紙やコピー用紙に続きを書いて添付することが認められています。また、手書きが辛い場合はパソコン(WordやExcel等)で作成したものを印刷して提出しても全く問題ありません。
Q2. 10年以上前のことで、通院していた期間や薬の種類をよく覚えていません。
A. 記憶が曖昧な部分は嘘を書かず、「詳細な記憶なし」と記載して構いません。ただし、当時の通帳の引き落とし記録、スケジュール帳、お薬手帳の切れ端など、少しでもヒントになるものを探し、分かる範囲で「おおよその通院頻度」や「当時の生活状況」を記載するように努めましょう。
Q3. 医師の診断書の中身をまだ見ていないのですが、先に申立書を書いてもいいですか?
A. 大まかな下書きをしておくのは良いですが、最終的な清書と提出は、必ず医師から診断書を受け取り、その内容を確認した後にしてください。診断書の「日常生活能力の判定」項目と、申立書の記載内容に食い違いがあると審査で不利になるためです。
Q4. うつ病で文字を書く気力がありません。家族が代筆しても大丈夫でしょうか?
A. はい、ご家族が代筆しても全く問題ありません。その際、書類の末尾にある署名欄等に、ご家族が代筆した旨と続柄を記載しておくと丁寧です。ご本人が話せる範囲で聞き取りを行い、ご家族から見た客観的な生活の様子を含めるとより伝わりやすくなります。
Q5. 文章が長ければ長いほど、審査に通りやすくなりますか?
A. 長ければ良いというものではありません。審査官は毎日膨大な書類を読んでいます。要領を得ない長文や、愚痴・不満ばかりの文章は、かえって重要な「生活の支障」の部分が埋もれてしまいます。要点を絞り、箇条書きなども活用して「読みやすさ」を意識することが大切です。
まとめ
うつ病の病歴・就労状況等申立書を作成する際のポイントを整理します。
- 申立書は、医師の診断書では伝わりきらない「日常生活や就労の困難さ」を伝えるための重要な書類です。
- 発症から現在までを時系列に沿って、3〜5年などの期間ごとに区切って記載します。
- 抽象的な感情論ではなく、「食事」「入浴」「仕事のミス」など具体的なエピソードを書くことが重要です。
- 提出前に必ず診断書の内容と照らし合わせ、矛盾やズレがないかを確認します。
- 書類作成の精神的な負担が大きい場合は、専門家である社労士への作成代行依頼が有効です。
ご相談について
うつ病による気力や集中力の低下が著しい中で、「いつからどの病院に通い、どのような生活をしていたか」を過去に遡って思い出し、論理的な文章にまとめる作業は、想像を絶するご負担となります。過去の辛い出来事を思い出すことで、一時的に体調を崩されてしまう方も少なくありません。
ご本人の負担を最小限に抑えながら、受給につながる確実な書類を作成するための進め方については、当事務所の無料相談にて個別にご案内しております。ご本人様からのご相談はもちろん、ご家族からのご相談も歓迎しております。一人で抱え込まず、まずは私たちの知識とサポートをご活用ください。
無料相談のご予約方法
お電話、またはメールよりお気軽にご相談ください。専門のスタッフが丁寧にお話を伺います。
監修者
山口秀和(社会保険労務士 / 山口社会保険労務士事務所 代表)
障害年金専門社労士として、練馬・所沢を中心に、東京・埼玉全域で相談を受けている。うつ病・がん・脳血管障害・心疾患など、幅広い傷病の障害年金申請をサポート。
※本記事の年金額は2026年度(令和8年度)の制度に基づく一般例です。実際の受給額はご本人の加入歴・標準報酬月額・障害等級・家族構成等により異なります。
※本記事は2026年4月時点の法令・制度に基づいて作成しています。
※「必ず受給できる」とお約束するものではありません。個別の事案については社労士・障害年金専門相談員への事前の相談にてご確認ください。















