障害年金は所得制限はありません【社労士が解説】
質問
障害年金は所得による制限があるのですか?
社労士による答え
障害年金は年金保険料を納めていることを前提とした制度のため、所得による制限はありません。家族の収入も無関係です。
ただし、次の2つの場合については、年金保険料を納めていなくても障害の程度が該当すれば受けることができるものであるため、本人の所得による制限があります。
①20歳になる前に、障害の原因となる病気やケガで初めて病院に行った日(初診日)があり、その初診日に厚生年金に加入していない場合。(知的障害など先天性障害も含まれます)
②特別障害給付金を受ける場合。
(特別障害給付金は、国民年金が強制加入ではない時代に、初診日に任意加入していなかったことで障害年金の対象とならない方のための救済制度です)
具体的な所得制限の内容
・前年の所得額が4,621,000円を超える場合は年金の全額が支給停止。
・前年の所得額が3,604,000円を超え4,621,000円以下の場合は年金の2分の1額が支給停止。
また、本人が扶養している親族がいる場合は、次の金額を加算して所得額が計算されます。
・扶養親族1人につき38万円加算。
・70歳以上の老人扶養親族であるときは、1人につき48万円加算。
・16歳以上23歳未満の特定扶養親族であるときは1人につき63万円加算。
所得額の確認について
毎年、年金機構が市区町村から所得情報の提供を受けて、受給者本人の前年所得の確認がされます。
年金機構が所得情報の提供を受けられないときは、対象となる方に案内が送られますので所得状況届を提出しなければなりません。
前年の所得額は、市区町村で6月以降に発行される所得証明書で確認することができます。
前年の所得額が制限額に該当すると10月分から翌年9月分までの1年間が支給停止となり、その後、制限額未満に所得が下がった場合は翌年の支給が再開されます。
支給停止も支給再開も年金機構で手続きをして通知されますので、原則として本人の手続きは不要です。
その他の注意点
障害年金では、一部の障害を除いていわゆる「更新」というものがあり、引き続き障害年金を受ける権利があるかどうか障害の状態を確認するため、一定の期間ごとに診断書付の「障害状態確認届」を提出しなければなりません。
更新時期は、年金証書であれば最下段に「次回診断書提出月」として表示されています。更新の診断書を提出し年金の支給継続が決まった場合は、「次回の診断書の提出について」というハガキで、その次の診断書提出時期が案内されます。更新時期には年金機構から障害状態確認届用紙が送られてきます。
所得制限による支給停止中であっても、障害状態確認届は必ず提出することが大切です。提出しないと、所得による制限がなくなっても支給は再開されませんので、ご注意ください。
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